2月9日(日) 朝倉地区社協の防災講演会が朝倉小学校で開催されました。

2月9日(日) 朝倉小学校視聴覚教室にて、朝倉地区社会福祉協議会主催の防災講演会が開催されました。

最初に地区社協代表の黒崎区片岡区長よりご挨拶と講師の木戸氏のご紹介がありました。

今回は朝日放送プロデューサーの木戸崇之氏をお迎えして「過去の災害に学ぶ防災」と題して奈良県・朝倉地区周辺にスポットを当ててご講演いただきました。

木戸氏は朝日放送ラジオ局ディレクター、報道局記者、ワイド番組ディレクターなどを経た中で、特に歴史災害に焦点を当てた番組で日本民間放送連盟賞優秀賞、ギャラクシー賞奨励賞、日本災害情報学会賞などを受賞されておられます。

会場は60名以上の方が聴講に訪れ満員でした。

木戸さんは今までの地震、津波、風水害の災害現場を取材してこられた経験について語られ、避難所生活での数々の問題点について分かりやすく話されました。

現場からの情報ですので、迫力、説得力があります。しかも昨日今日学んだ知識ではないので、深いのです。この朝倉小学校も大規模災害時の避難所になります。リアルな問題点についてテレビでは放映できないような模様を動画で見せていただいて、皆さんも真剣に聞いておられました。

また、電気水道などのライフラインが大震災でどうなるのかもシミュレーションされ、近々起こるであろう東南海大震災について警鐘を鳴らされておりました。

特に奈良県の方は危機意識が薄いことに注目され次のように仰いました。

奈良は『寝だおれ』、言い得て妙ですね~・・・県民の危機意識の薄さを表していますね。

そこで、過去の奈良県の過去の災害について話されました。

縄文時代、奈良盆地は湖沼だったこと、奈良の大仏の建立の理由、生駒断層帯での地震爪痕が仁徳天皇陵にも見られることなど、決して奈良県は地震の無い国ではなかったことを話されました。

今回朝倉地区で開催することもあり、近隣の地名を挙げられ「地名には災害実績が残されている」と地名伝承学の立場からも説明されていました。

奈良市と天理市の境にある十市村で村の上流部にある三つの池が天正年間(1770年頃)地震により堤が決壊し村が津波で全滅した故事について語られ「奈良にも津波は来ますよ~」と話されました。

近くにある倉橋のため池も切れれば大水害になります。

また初瀬川の氾濫にも注意が必要と話されました。

そして30年以内に80%の確率で起こる南海トラフ地震についてです。

写真のとおり、関東大震災+阪神淡路大震災+東日本大震災+中越地震+熊本地震だそうです。怖いですね~。

あ、これは何もすべてが合わさったようなパニック映画のような災害になると言うわけではなく下記のような特徴に注意をして欲しいと言うことです。

それぞれの地域での起こりうる被害の想定の最大要因を示していますが、このように被害内容がさまざまになると言うことです。

例えば 熊本地震では、地震による被害は50名ほどでしたが、避難所での劣悪な環境下で、エコノミ症候群などで200名を超える避難者がお亡くなりになっています。せっかく地震から生き延びた命なのに、避難所で亡くなるとは、、、、。ヨーロッパでは市民保護省があり、避難所で避難者が亡くなられた場合、避難所責任者が厳しく責任を問われます。

東日本大震災では、福島県須賀川市(内陸部)の「藤沼ダム」が地震直後に決壊し、ダム直下の集落で死者・行方不明者8人の人的被災が生じています。海からの津波の前に、すでに内陸津波で人命が奪われていたのです。

中越でも、土砂災害だけでなく、ため池の決壊での死亡者が多く出ていたと言うことです。倉橋のため池も防災ダムとしてまずは大丈夫と県は言っていますが・・・安心はできない。

想定外でした・・・という言葉が頭に浮かびますね~(^◇^;)

もし、倉橋のため池が決壊すれば166号線に沿って外山区へ濁流が流れます。

桜井市HPから https://www.city.sakurai.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/27/A3__ForWeb2.pdf 

今から70数年前の南海トラフ地震は、太平洋戦争中であったため軍事統制が厳しく敷かれ詳細は闇の中ですが、かなりの被害があった模様です。

今は昔に比べて建物も頑丈ですが、インフラは地震に弱いままです。生活が便利になった分弱点も余計増えてきました。

聴講された方々も「これ迄同様何もしないで、他人事でいいのだろうか?」という漠然とした潜在的な気持ちに火をつけることになったのではないでしょうか。

これを機に「防災」「減災」について自分事ととらえて備える方々が増えることを祈るばかりです。

 

 

2020年02月11日